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のんびり屋

二次創作の小説ブログです。

ご挨拶とこのブログについて

Posted by ぐれんかい on  

はじめまして または こんにちは 管理人の「ぐれんかい」です。
このブログは二次創作サイト・小説がメインとなっております。
苦手な方 ご存じない方は そっと画面を閉じて下さいませ。
ジャンルは 乙 女 ゲ ー ム と 少 年 漫 画 です。
もちろん非公式です。
ネタバレ・キャラ崩壊 などがあるので ご注意ください。
基本 男女カプが好きですが 友情ものも好きです。
オリジナル恋愛小説も書いてますが そちらは外部に掲載しています。

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サイト名:のんびり屋
管理人:ぐれん かい(しっぽ)
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更新履歴
2019/05/06 アルファポリスにもオリジナル小説投稿開始
2019/02/03 スチプリ「甘美なくちびる」エルト×キルスの小説更新
2019/01/26 二次創作の過去作品再掲載開始
2019/01/20 小説家になろうにてオリジナル小説投稿開始
→オリジナル小説「ティーチャー」「愛されたくて」(外部サイトへ飛びます)など
2018/03/11 サイト情報を誤って消した為お引越し
2015/11/08 サーバーのサービス終了の為お引越し
2012/07/01 pixiv をはじめる
2010/03/29 二次創作活動開始
2008/03/20 オリジナル恋愛小説サイト活動開始
(~2015/03/12まで)

小説の目次
三国恋戦記
・仲謀×花
年齢からかい限界独り占め
・公瑾×花
理由感謝可愛い人超絶極甘チョコレート
・仲謀軍
心情花の思いつき兄と妹と、通行人
・孔明視点(公瑾×花)
冷やかな戦い惚気
・孟徳×花
戯れ大切
・文若×花
理解不能無意識和睦
・孔明×花
クリスマス笑顔想い質問待てば待つほどに 前編後編愛を結んで我らが菓子を頂戴しに参りますか
・早安×花
今ある幸せをてのひらを合わせて
・玄徳×花
欲心
・翼徳×花
親愛だって好きだから(イラスト付)│翻弄マシュマロ頬の君

二世の契り
・雅刀×真奈
渇望お菓子旅は情け、人は心ほろ酔い
・秋夜×真奈
自覚
・翠炎×真奈
他の誰かを見ていても

アーメン・ノワール
・ナイヴス×ナスカ
ただ貴方のそばに秘密のデキゴト
・レイン×ナスカ
彼を思い悲しむなら
・エル×ナスカ
恋人│お買い物│
・クリムソン×ナスカ
│甘えて│最初から悪戯目当て│

十三支演義
・張遼×関羽
│求めてしまう心、惹かれてしまう貴女│
・夏侯惇×関羽
│意識してしまったら│

忍び、恋うつつ
・半蔵×かえで
│誰しも愛を求めている│

ニルアド
・滉×ツグミ
│すれ違い│朝ご飯│苦しみも喜びもあるこの世界で│毎日デモ味噌汁ヲノミタイ│

スチームプリズン
・エルト×キルス
甘美なくちびる←NEW

クインロゼ
・エリオット×アリス
ウサギさんと一緒に/ダイヤの国のアリスよりED後
・カーティス×アイリーン
眼差しを逸らしたら/アラビアンズ・ロストよりED後
・ロベルト×アイリーン
宝石よりもなによりも/アラビアンズ・ロストよりED後
・ランビュール×シエラ
君への呪縛/クリムゾン・エンパイアよりED後
・ベル×ルシエル
大嫌い/ブラック・コードよりED後

英雄伝説 空の軌跡 the 3rd
・ケビン×リース
これからは一緒に/ED後
兄になりたいのか、それとも?/ED後
お菓子奪いいただき隊/ED後

黒子のバスケ
・主に誠凛 順リコ中心です
│誠│誠│秀│誠│誠│陽│

ハイキュー!!
・龍叶
│田中の春│まっすぐなあなたが大好きです│

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恋人

Posted by ぐれんかい on  

恋人と過ごす日々を得たナスカはエルと一緒に出掛けようとしたのだが…? PSP版のHappyEnd後

│エル×ナスカ

「エルが、生きてていてくれてすごく嬉しい」 
ナスカは精一杯の笑顔でエルに言った。
 
「それは……オレもです。生きてて良かった」 

譲れないものは誰にでもあって。 
その譲れないものを守りたくてナスカは、願う前に努力したんだ。 
絶望な都市であなたと生きる道を選びたいから、と。 

そして、ナスカたちは、ネムレスを壊し、恋人と過ごす日々を得た。 
そんなある日、ナスカは、エルと出掛けることになったのだが。

「……あの、ノワール。デートをするのはいいのですが、なぜオレまで服装を変えるのですか?」 
「――え?」 
思ってもいなかったことを質問され、ナスカは驚いた。 
「エル、嫌、だった?」 
「嫌ではないのですが」 
エルはナスカが服装に興味をもったことが意外だったようだ。 
「貴女もやはり女の子なんですね」 
「そうなのかな。私は、エルに楽しんでもらいたかったんだ」 
「ノワール?」 
「いつもの恰好じゃなくて、違う服装したら気分が違って楽しいかなって……ごめん、私だけが楽しんでた」 
「いえ、オレも楽しいですよ」 
「本当?」 
「ええ」 
エルの発言から気遣う様子はなく、ナスカはほっとした。 

(エルは人間だったけど、体が機械なってからデート、したことないはずだよね) 
以前、誰かと出掛けたことはあるのか分からない。恋人がいたのかもしれない。 

(考えすぎかな) 

けれど、これから一緒にいろいろなことを体験したい。 
今までできなかったことを。
 
(喜んでくれるといいな) 

「ノワール……?」 
「あ、なに、エル?」 
「考え事ですか? それなら少しオレは待機して――」 
「エル、待機じゃない。エルは人間だよ」 

「すみません、癖で」 

機械として存在してた感覚が体に染み付いて、反射的に『待機』という人間らしくない言葉を使ってしまった。 
そのことに、多少の疑問を感じ、エルは言い直した。 

「ノワール、考え事ですか。それなら、オレは貴女にキスしていいですか?」 
「っ……さ、さっきと意味が違う……!」 
「無防備なので、少し味見をしてもバチは当たらないかな、と。嫌ですか?」 
「……い、嫌じゃないから困るっ」 
「そうですか」 
なめらかな動きでナスカの唇の端をついばみ、ナスカは驚きで数秒、硬直してしまった。 
表情があまり変わらないナスカでさえ、顔を真っ赤にさせるしかなく、そのままエルに身を任せた。 
「ノワール。あまり、無防備な表情をしないでください。俺でも貴女に襲いそうです」 
真剣に言われ、戸惑う。 
デートに出掛けようとしたのになぜ、こんなことに。 
ナスカは困惑した。 
「エ、エル……?」 
「はい」 
「本当にエル?」 
「はい。当たり前です。ノワールはオレにそっくりな人間がもう一人いると思っているのですか。それなら、オレは会ってみたいですね」 
「ご、ごめんなさい……本気で疑ったわけじゃなくて、その、驚いて」 
空気が甘くて。とろけそう。 
ナスカはそんな空気に慣れていない。だから、戸惑ったのだが――。 
少し機嫌を損ねたエルに慌てて寄り添った。 
「本当に、驚いただけ。私は、エルはエルしかいないと思う」 
「……少々理解し兼ねるのですが、なんとなく言いたいことは分かります」 
「よかった…わかってもらえて。だって、こんなにも好きなのはエルだけだから。……大好き」
「っ……」 
その言葉で、エルはそのままナスカを押し倒した。 

どさりと。 
柔らかいベットに触れ、ナスカにくちづけながら、身体が機械でもエルは彼女に触れたいと思った。 
「はあ。すみません、貴女に無理をさせてしまうかもしれません」 
「っ……エ、ル?」 
無意識に震える指先。 
(オレは緊張してるのでしょうか) 
はじめての感情だった。彼女を深く知りたいと思ったことが。 

けれど、この一線を越えることが、怖いと感じてしまう。そう思うと自分が情けなくなった。 
きっと、ナスカは初体験だ。彼女は怖いはず。不安なはず。 
(男のオレが緊張してたら――) 
そう思っていたら、ナスカの指先がエルの頬に触れた。 

「エル、遠慮しないで本心を言ってほしい。私は、何をされてもエルを嫌いにならないから」 
不安よりも嬉しいのだと気付いてしまったから、健気な彼女にエルは感動してしまった。 
「ノワール……」 
指先の震えが止まった。 
視線は、ナスカをまっすぐに見つめる。 
「愛を結ぶのに、機械だからとか人間だからとかオレにとってはどうでもいいです。ただ……オレは貴女がほしい。だから、ナスカ。貴女をください」 
「うん……いいよ」 
ナスカは微笑む。 
エルがそっと触れると、柔らかくて心地よかった。 
「はじめは……その、痛いと思うのですが」 
ナスカを気遣いつつも、欲が先走って、彼女に迫ってしまう。 
それでも、ナスカは笑って、 
「大丈夫。エルの好きにして」 
と言う。 
「……貴女は本当に可愛らしいです」 
そして、重なる二人――。 

「ああ、鼓動が聞こえます」 
「うん」 
「心地よいです」 
「うん」 
繰り返し、うなずく。存在を確かめて、嬉しさが増す。 
ここにいてくれる奇跡に感謝して。 
二人は微笑んだ。 
「エル、どうぞ」 
首を小さく右にかしげて、もっと触ってもいいよとナスカが言うと、エルが珍しく動揺した。 
「あ、あの……ノワールはオレに甘すぎます。オレだって貴女にひどいことをできるんですよ」 
そう言って、ナスカの首筋に唇を寄せた。 
がりっ。 
「……ぁ…っ」 
エルが首筋に歯をたてると、ナスカは小さな悲鳴をあげた。 
「痛かったですか、ナスカ? もう一度聞きますが、貴女は後悔しませんか?」 
断ってもいい、という選択肢を与えてエルはしばし待つ。 
あまり感情を表さないナスカでさえ、少し脅えた表情をした。 
「いま、オレが怖いと思うなら今日はやめましょう」 
「え……」 
「嫌ですか?」 
「……うん、やめないで」 
はあ。 
エルの口からため息がもれる。 
「やはり貴女は甘いです」 
「それは違う。エルが私に甘いんだ」 
「そうですか? 貴女も相当だと思いますよ」 
微笑を浮かべ、エルはナスカを上から見つめた。 
「ノワール……いえ、ナスカ。オレは本当に幸せものだと思います。本当に感謝しています、ありがとうございます」 
「エル……」 
「もし、痛くても止められませんからね、ナスカ」 
「……うん」 


起きたのは朝早くだったのに。激しい運動のせいで、すっかり午後になっていた。 
隣を見ると、無理をさせたようで、ナスカが猫のように丸くなって寝ていた。 
「ノワール……」 
そっと体に触れると、もぞもぞと動いて寝返りをうつ。 
「ん……」 
「ノワール? 起きたんですか」 
話しかけても反応がない。どうやら、口から息がもれただけだったようでナスカはまだ寝ていた。 
「このまま寝かしてあげたいのですけど、ノワールの食料がないので買い物に――」 
エルが言葉を言い終わる前に、ナスカは再び、寝返りをしようとしてベットから落ちそうになる。 
「ナスカ……っ……!」 
間一髪でナスカをうまく抱き寄せると、ナスカはそれに気づいたようで、ぱっちりと目を開けた。 
「エル……?」 
「はい、おはようございます」 
「っ……!」 
密着度合いに気づき、ナスカは驚いた。 
「ノワールがベットから落ちそうになっていたので抱き寄せました」 
「あ……そうなんだ」 
ナスカは納得したけれど、どこか残念そうに肩を落とした。 
「……身体は大丈夫ですか、ノワール」 
「え? あ、うん。平気。エルは?」 
「男のオレに聞きますか。大丈夫ですよ」 
「男の人に聞いたらだめなの?」 
「そういうわけではありませんけど……身体の構造上、負担が大きいのは女性ですから」 
「そうなんだ」 
覚えておく、とナスカは納得してベットからいそいそと出ていく。 
「着替えてくるね」 
「はい。それまでオレは待っています。貴女の恋人として」 
「! ……うん……うん、嬉しい」 
「……そ、そうですか。…………今のはちょっと不意打ちでした」 
「?」 
ナスカの無垢な笑顔に、エルはどきりとさせられた。 
「貴女は分からなくていいですよ。それより、着替えてきてください、ノワール」 
「うん!」 
今度こそ新しい服に着替えてデートに出かけたのだった。


おわり

彼を思い悲しむなら

Posted by ぐれんかい on  

ナスカはナイヴスのことで責任を感じて一人で過ごしていると…? ゲーム途中

│レイン×ナスカ

願ったのは果たして本当に相手の幸せだったのか、わからない。 
もしかしたら、自分の幸せを願ってしまったのかもしれない。 

相手を助けたいと、救いたいと願っても、自分の力だけではどうしようもなくて――。 
絶望の都市で私は……痛いほど自分の愚かさを嘆いた。 

「いたっ」 
動かす腕が痛い。 
意識しなくても悪い方向に考える脳が辛い。それを感じる心臓が軋む。 

(なくしてしまった) 
大事なものを、私が。 
壊してしまった、緩やかな日々を…。 

「変な風に悩むなよ」てレインは言ってくれたけど私には無理だ。 
そんな風に考えていると、近くで足音が聞こえた。 

(だれ…だろう) 
眠い頭で考える。 
けれど、すぐに答えは分かった。 


「まーた、ンなとこで寝てやがる! ベットで寝ろ」 
近づいてきた男が、廊下でうたた寝をするナスカに軽くこづく。 
「あ――レイン?」 
「あ、じゃねえ。引きずってでも部屋に戻すぞ」 
「でも……」 
「おまえの『でも』は聞きたくねえ」 
「…う……」 
「言い訳するな。聞いててムカつく」 
「………」 
「無言かよ…。おまえ、大丈夫なのか?」 
「……ん」 
「……なら、大人しく俺の言うことを聞いとけ。おまえだって分かってんだろ?」 
もう、なくしたものは戻ってこないって。 
「………」 
分かってる。いや、分かってしまってる。 
それでも、思い出してしまうのだ。ここに、冷たい廊下にナイヴスは居たんだと。 
「う……あ……っ」 
涙は見せたくなくて、ナスカは必死に我慢した。 
もう、枯れるほど流したというのに、それでも溢れてくる。 
「泣きたいなら泣け。そばにいる」 
「レ、イン……」 
「負けンなよ。おまえは生きろ。生きて償え」 
優しい言葉だけれど、今のナスカには生きることが辛かった。この胸を締め付ける痛みが、悲しみを増幅させた。 
「なあ、ノワール。俺もおまえに生きていてほしいと思うぜ」 
「え……?」 
ナスカはレインの言葉が突然でよく分からなかった。 
(生きていて、ほしい……?) 
「だって、私はハンターで――」 
「今は元だろ。つか、それ以前に俺はおまえは嫌いじゃねえ。おまえが死ねばよかったなんて誰も思ってない」 
「っ……」 
「だから、生きていたことに感謝しろ。……そしたら、あいつも報われるだろう」 
「――ん」 
短く返事をした。痛いほどレインの気持ちが伝わってきたから。 
「ありがとう、レイン」 
「……別に」 
たいしたことじゃない、とレインはナスカに背を向けた。照れている、らしい。 
「レインは……優しい。だから、すごく気が楽になるんだ」 
ぎこちない笑顔をレインに向けた。悲しみでうまく笑えない。というよりも、笑顔はまだ慣れない。 
「は、おまえ――笑って……?」 
振り返って、レインはナスカの笑顔に驚いた。すごく下手な笑顔だったが。それでも確かに笑っていた。 
「……ノワール、おまえが前に進めるまで俺がそばにいる。だから、その笑顔を俺だけに向けろよな」 
「レイン?」 
「何だよ。嫌なのかよ?」 
「嫌じゃない! 嬉しい……」 
「――くそ! そうやって無防備になるな。襲われても文句は言えねーぞ」 
「……? ネロがいるから大丈夫」 
「そういう意味じゃねえよ! て、そーか。ネロがいたんじゃ襲えねえのか!!」 
「……?」 
だからそう言っている、とナスカは不思議そうに呟いた。どうやらレインの言っている意味を理解していないらしい。 
レインは、襲われると言ったのはナスカが女だからという理由での意味だ。 

無意識に煽る彼女に、レインは少しイラついた。 
こんな色気もないガキになんで俺が、と嘆いてみたが……。 
理屈を探してみても見つからない。 
「……それほど溺れてんのか、俺は……」 
情けねえよ、とため息をついた。 
「レイン、疲れているなら寝た方がいい」 
「……ああ」 
変なふうに心配をされて、レインは肩の力を抜いた。 
「おまえも寝ろ」 
「うん」 
そして、彼らはお互いを思いながら悲しみに積もった心を少しだけ軽くした。 
今だけは、安らぎを、と願いながら。


おわり

秘密のデキゴト

Posted by ぐれんかい on  

ナイヴスとナスカのところに友人のレインが訪ねてくるのだが…? PSP版のHappyEnd後

│ナイヴス×ナスカ


ぐったりとベットに倒れ込んだナスカからそっと離れる。優しく頭を撫でると規則正しい寝息が聞こえてきた。
 
(………また加減ができなかった) 

ナイヴスは反省しつつ、けれど次もまたやるとなったらとことんやってしまうのだろうな、と思った。 


夕方にはナスカとナイヴスの共通の知り合いである、レインが訪ねてくる。 
それなのに、ナスカを疲れさせてしまう行為をしてしまったのは、彼女が可愛すぎたからだ。 

(――いや、それを理由にしてナスカを疲れさせるのはいけないな) 

疲れたナスカのために飲み物を用意しようと台所に向かうと、彼女が用意した可愛らしい食器や台所用品が並んでいた。 
出会った頃の男の子のような雰囲気は今は想像できなくて、本当に彼女は美しくなった。 
花がきれいに咲くように、成長した過程を見られて自分は幸せなのだと実感した。 

「……ナイヴス?」 
「ノワール、起こしたか?」 
「ううん。大丈夫」 
寝室から顔を出したナスカはまだ眠いようで、目を擦っている。 
「まだ寝てていいんだぞ」 
「……平気だよ、ナイヴス。レインが来るからお祝いのためにケーキを作るの」 
「ケーキ?」 
「久しぶりだから、レインに会うの……だから、いい?」 
首を傾げてきらきらした目で見つめられ、ナイヴスは苦笑しながらも承諾した。 
「たくさん作るのは困るが……三人で食べられる量なら。作ってくれるか、ノワール」 
「うん!」 


「で、このデカイケーキはなんなんだよ?」 
訪ねてきたレインがはじめにナスカが作ったケーキを見て言った。 
「それは、ノワールが作ったんだ」 

呆れるレインの疑問に答え、ナイヴスはナスカが作ったケーキが思ったより大きくなったと否定できなかった。 
それなのに、ケーキ作りに疲れたというより、例の行為に疲れているようでナスカはソファに座って腰を休めていた。 
「……それで? ノワールが疲れているのに関係あンのか?」 
「う。それは――」 
言葉を濁すナイヴスの代わりに、動揺を見せないナスカが答える。 
「レイン、それは言えない」 
「ふうん?」 
「……まあ、仲が良いのはいいけどよ、ちったあ俺のこと考えろ」 
「すまん……」 
確かに、考えなしだったと反省する。夕方になるまで頑張るつもりはなかったのに、盛り上がってしまったのだ。 
「……あ、レイン、それっ」 
レインが手にしていた袋を指差してナスカは嬉しそうに微笑んだ。 
「どーなっつ。シャンタオからだ。あいつ、相変わらず生意気で、ほんとムカツク」 
「そのわりには、よく会っているじゃないか」 
レインの素直じゃない言葉に、ナイヴスは笑ってしまう。 
「うるせーよ」 
「うん、シャンタオのお菓子はすごく美味しくて好き」 
さっそく袋を開けてドーナッツを食べていた。 
「ノワールも相変わらずだな」 
「ああ」 
最初は彼女のお菓子好きには驚いたものだ。 
彼女を見ているとすごく幸せな気持ちになると、ナイヴスは思う。 
「諦めなくて良かった」 
「おまえ、俺に任せようとしてたじゃねーか」 
「っ……お、覚えてたのか、レイン」 
「忘れるかよ。もうノワールを置いていくなんて考えるなよ」 
「ああ、もう泣かせたくないからな」 

「ナイヴス? レイン? なにを話し、て……いる、の?」 
ごくん、と喉の鳴る音が聞こえる。 
「ノワール。食べてから話してくれ」 
「ん。――ごくっ」 
ドーナッツの入った袋を置いて、ナスカは二人に目線を送った。 
「ナイヴスとレイン、すごく楽しそうだったよ?」 
ナスカには二人のやりとりが楽しそうで仲間に入れてもらいたかったようだ。 
「別に、ふつーだ。それより、おまえ……」 
「?」 
レインの視線に首を傾げた。 
「髪伸びたなー。つか、女らしくなったよな」 
「レイン、口説くなら帰ってもらうぞ」 
「ちげーっつーの。なんつーか、幸せそうで良かったって……」 
「おまえ何言ってるんだ? 俺たちは最初から幸せだぞ?」 
「うん」 
平然と惚ける二人にレインは嫌々そうに顔を歪めた。 
「うわっ、そーゆうのやめろ。鳥肌が立つ」 
「?」 
「なんだ。自分から幸せそうだと言っておきながら他人が言うと駄目なのか?」 
「違う。つーか、隠せよ、いろいろと!」 
オープンな彼らにレインは呆れ半分、けれどその感情には喜びが含まれていた。 
「やっぱり、いいわ。お前らには無理だな」 
「当たり前だ」 
始めから惚気を隠すつもりもないナイヴスは断言する。 
「うわ、余計タチわりぃーって」とレインがぼやいていたが。それは、聞かなかったことにする。 
「……?」 
何がオープンなのか、何が無理なのかナスカはさっぱり分かっていないようだった。 

「ノワール、君はそのままでいてくれ」 
「ナイヴスが望むならこのままでいるよ」 
こくりとうなずくと、レインは盛大にため息をついた。 
「周りを見ろ、周りを! 特にナイヴス。わざとやってんじゃねーか」 
「なんだ、いま気づいたのか、レイン。……わざとに決まっているだろう」 
「なっ」 
いつものことのように、ナイヴスはレインをからかっている。 

「あ!」 

「あ゙?」 
「どうした、ノワール?」 
急に声を上げたナスカにレインがすぐに反応し、ナイヴスが優しく尋ねた。 
「ケーキ切らないと。レイン、食べるよね?」 
「あ、ああ……」 
お菓子が絡むと積極的になるナスカにレインは戸惑ってしまう。 

「ノワールがおまえのために作ったんだ。ノワールが俺以外の男のために作ったなんて考えるだけでムカツクんだが」 
「じゃあ、言うな」 

幸せそうにケーキを切るナスカを男二人は穏やかな目で見つめていたのだった。 


おわり

ただ貴方のそばに

Posted by ぐれんかい on  

気を抜いたら消えてしまいそうな幸せで。だから、無理をしてでもナスカはナイヴスを喜ばせたくて…? HappyEnd後

|ナイヴス×ナスカ

(あと……もうちょっとで……) 

完成できるのに、とキッチンで料理をするナスカは思った。 
しかし、今朝から熱っぽくてうまくいかない。 
(迷惑、かけちゃう……) 
それは嫌だから何でもないようにふるっまっていた。 
とんとんとん、という切る音もしだいに遅くなっていく――。 

(ああ……もうダメかも……) 
ごめんなさい、と呟いてナスカは意識を手放したのだった。 


*** 

カラン、とキッチンの方から金属音が響いた。 
「………ノワール?」 
確か、彼女が昼食を用意していたはずなんだが、とナイヴスは首を傾げる。 
そういえば、今朝はどこか変だった。どこが変かといえば正確には答えられないのだが。 
(無表情だったというか……) 
気のせいかと思ったが、少し心配だ。ナイヴスはナスカのいるキッチンへと急いだ。 

そこで見たものは……。 
ナスカが床に倒れた姿だった。 
「――ナスカ!」 
急いで抱き起こすがすでに意識はなく……呼吸が浅かった。 
「ナスカ、どうしたんだ!?」 
叫んでも彼女は何の反応も示さなかった。賞金首になってから数えきれないほど反応の失った人たちを見てきたというのに
――今さら、背筋が凍った。
 
「……俺は……」 
愚かだ。彼女の変化にも気付かないなんて。 
「――ナ、イヴス?」 
自己嫌悪していたところに小さな呟きが聞こえた。 
「ナスカ! 大丈夫か?」 
「……ん……意識は重いけど、大丈夫」 
「それは大丈夫だとは言わない。とにかく、シャンタオに見せるか」 
「……ん」 
本当に弱々しく頷いた。 
どうやら熱があるらしい。額が熱い。 
「すまない……俺が君のことをもっと気にしていたら――」 
「それは、違う……私が、無理、したから。ナイヴスは悪くないよ……?」 
「ああ、それでも君をこんなに無理させてしまったのは俺の責任だ。大人しく俺に身を任せてくれ」 
「………」 
無言のままのナスカを抱き上げ、診察室に急いだ。再び、ナスカの意識がなくなるまでナイヴスは彼女の手を離さなかった。 

* 

「……ん……?」 
ナスカは目が覚めるとベットの上にいて混乱した。確か自分は料理の途中だった気がするのだけれど。 
「あー、ねーちゃん起きたんだね。良かった……」 
ほっとした笑顔を見せてくれたのはシャンタオだ。 
クリムソンがいなくなってからこのファームを切り盛りしていて頼りになる存在だ。 
「シャンタオ? 私、何で寝てるの……?」 
「え? 覚えてないの?」 
「……ごめんなさい」 
微かに残る記憶では確かにナイヴスの姿は思い浮かぶけれど。はっきりしなかった。 
「謝らなくていいよ。ねーちゃんはナイヴスにーちゃんに運ばれてここに来たんだ。来たときはびっくりしたよ。ねーちゃん熱高いし、ナイヴスにーちゃんも今にも倒れそうで――」 
「え? ナイヴス、倒れたの?」 
ナイヴスはただでさえ一度死んだ体なのに、倒れたら命が危ない。ナスカは泣きそうになりながら問い返した。 
「違う違う! 倒れてはいないよ。ただ、すごく心配していた」 
「……ごめんなさい」 
「僕じゃなくてナイヴスにーちゃんに言ってあげて。もうすぐで帰ってくると思うよ」 
「……?」 
「ナイヴスにーちゃんに買い物を頼んだの。僕、診察で忙しいし、ねーちゃんは病人で昼食作れないでしょ? だから、すぐに食べれる物を買ってきて、と頼んだんだよ」 
「あ……なら、私、作れたよ? 熱、たいしたことない」 
「だーめ!」 
シャンタオの強い言い方にナスカは少し肩を揺らした。 
「…あの、でも……」 
「風邪は万病のもとだって昔から言うんだからねっ! ねーちゃんがもしいなくなっちゃったらすごく悲しいんだから!」 
泣きそうになりながら怒るシャンタオにナスカはすごく申し訳なくなった。 
「ごめんなさい……今度から気をつける」 
「そうしてくれ」 
「え……?」 
シャンタオとは違う低い声に驚いた。見ると、ナイヴスが微笑を浮かべこちらを見ていた。 
「あ、ナイヴスにーちゃん! こっちは診察終わったよ。ねーちゃんは風邪みたい。安静にしていれば明日には熱が下がるよ」 
「そうか……」 
良かった、とナイヴスが呟く声をナスカは聞いてしまった。 
「……あ、ナイヴス……その、ごめんなさい」 
彼を直視できなくて、つい目線を反らしてしまった。自分が情けない……。 
「いや、いい。ナスカが無事なら」 
「でも…」 
「今度から気をつけるんだろう?」 
「うん」 
「なら、それでいい」 
「……うん」 
ほのぼのとした雰囲気に、第三者のシャンタオはため息をついた。 
「……一応、二人に言うけど、ここ診療室だから。僕がいること忘れないでよね」 
「っ……」 
「す、すまん」 
ナスカは驚き、ナイヴスは少し顔を赤くしていた。シャンタオが指摘しなければ、ナイヴスはナスカに手を出していただろう。 
(ねーちゃん病人なのに…にーちゃん節操がないよね) 
「今日は、絶対に安静にしてなきゃダメだよ。分かった?」 
「うん。シャンタオの言う通りにする」 
「なら部屋に戻っていいよ、ねーちゃん」 

「……歩けるか、ノワール」 
彼女の表情を見つめ、ナイヴスは静かに問うた。純粋に心配しているのと、単純にナスカに触れたいのだろう。 
「……あ、大丈――」 
「ナイヴスにーちゃん、ねーちゃんを運んであげて。悪化したら大変だから。それと、昼食は部屋で食べてね」 
「分かった」 
シャンタオの気遣いにナイヴスは苦笑した。自分の下心を年下のシャンタオに筒抜けのようだったから。 
「シャンタオ、私……一人で歩ける」 
「これは僕の判断だから大人しく聞いてね、ねーちゃん」 
「う……ん」 
ちょっとだけ納得がいかないような困ったような表情をされ、それでもシャンタオは退かなかった。 
(だって、これは僕のためでもあるんだもん) 
ねーちゃんとにーちゃんがいつまでも仲良く一緒だったら僕のもとから離れないんじゃないかって――そう思うから。 
もう、親しいひとたちがいなくなるなんて僕には耐えられそうにない。 
「……お大事に、ねーちゃん」 
「ん。シャンタオ、ありがとう」 

*** 


「……ナイヴス」 
「ん?」 
「やっぱり、自分で歩ける」 
「駄目だ」 
即答され、ナスカは戸惑った。 
(この体勢……すごく近いと思う) 
顔に。恥ずかしくて熱が高くなくても頬が熱くなる。 
ナイヴスはナスカを両手で抱き上げ、胸板に近づけるように持ち上げて歩いていた。 
「……すまない。どうしても、君に無理をしてほしくないんだ」 
「それはわかってる。だけど……これは……」 
「恥ずかしいのか?」 
「っ……」 
「なんだ、意識してくれたのか。これは嬉しい、のか」 
ナイヴスは自分に問いかけ、喜びを噛み締めた。 
「私は恥ずかしい……」 
「我慢してくれ、あと少しだ」 
部屋の扉を開け、ナスカをベットに座らせた。 
「辛いのか?」 
「平気。少し、楽になった」 
「無理をするな。そうだ、昼食を食べるか」 
「あ……キッチン遣りっぱなし……」 
「俺が片付けた。心配するな」 
「ありがとう」 
「……どういたしまして」 
食事を終え、ナスカはナイヴスを呼びとめた。 
「まだ、居てくれる……?」 
「ああ、君が俺を必要とするまでいる」 
「――ずっと必要だよ」 
「………ナスカ……」 
いつ死ぬかも分からない。そんな状況で不安にならないはずはない。 
けれど、今にも消えてしまいそうで儚い灯火でも――確かに存在しているのだ、ここに。 
それだけが真実で他には何もいらない。 

私は貴方のものだよ。 
だから、どうか……そばにいさせて。 


おわり